粘土瓦は、日本住宅に昔からある伝統的な屋根材です。
その耐久性は、「30年以上」と高耐久であり、いまだにこの屋根材に勝る新商品は発売されていません。
和を象徴するそのデザインは、現在でも需要があります。
ですが、そんな瓦も修理がまったく必要というわけではありません。
ここでは、瓦屋根で長く持たせるために必要な修理方法とその費用について解説していきます。
瓦自体の耐久性は高く、基本的に修理の必要性はありません。
ですが、地震の影響や飛来物などの影響によって、瓦が割れてしまう事があります。
その割れた箇所から雨漏りが発生して、2次被害も起こり得るので放置してしまうと大変なことになります。
瓦以外にも、棟瓦の漆喰も経年劣化で剥がれ落ちるため修理が必要となります。
そのほか、瓦自体の修理は必要ないですが、その重さが懸念されており、軽い屋根に葺き替えを行って対策を行うケースも増えています。
瓦にひび割れが発生した場合には、専用のコーキング材で接着を行って補修を行います。
完全に割れてしまい破片がなくなると補修はできませんので注意が必要です。
簡易的な補修内容なので、DIYでも行うことが可能です。
瓦補修の費用単価は「8000円~」となります。
完全に瓦が割れてしまった場合やしっかりと瓦を直したい場合には「瓦を差し替え」て修理を行っていきます。
新しい瓦を用意して交換する方法です。
ですが、同じ瓦が無い場合もあるので「粘土瓦」のみの修理となります。
また、色合いも変わってくることもあるため、完全に同じ状態に戻るケースは少ないので注意が必要です。
瓦差し替えの費用単価は「12000円~」くらいです。
棟瓦の漆喰は、約10年前後で剥がれ落ちてきます。
そのため、定期的に漆喰の塗り直しが必要です。
漆喰の剥がれを放置してしまうと、棟瓦の倒壊や雨漏りの原因ともなります。
漆喰補修の費用単価は「2500円~4000円/m」くらいです。
棟瓦の積み直しは、地震の影響で「棟瓦が倒壊した場合」や、漆喰の剥がれを放置して「内部の盛土まで剥がれてしまった場合」などに行う修理方法です。
既存の棟瓦を解体して、新しく下地をやり直してから、再度棟瓦を積み直していきます。
棟瓦の積み直しを行う事で強度が保たれて、倒壊のリスクが減りますので、対策工事としてもおすすめです。
棟瓦積み直しの費用単価は「8000円~12000円/m」くらいとなります。
瓦屋根の葺き直しは、築30年以上経過して「木下地が劣化して腐食した場合」や、「雨漏りが発生した場合」に行う修理方法です。
既存の瓦をそのまま生かして、下地だけ補強や新しく修理していきます。
瓦を再利用できるので、新しい瓦の材料費や既存瓦の処分費がなくなるため、葺き替え工事と比べて割安となります。
予算を抑えたい方や、既存の瓦のデザインが気に入っている方はこの葺き直し工事がおすすめです。
屋根葺き直し工事の費用単価は「8000~13000円/㎡」くらいです。
瓦屋根の葺き替え工事は、古くなった下地の補強を行う目的や、地震対策のために軽量瓦に交換していく修理方法です。
新しい屋根材の種類によって、費用はピンキリですが、大掛かりな工事となります。
現在では、重たい瓦からガルバリウム鋼板という軽量な屋根材に葺き替えを行うケースが増えています。
美観もよくなり、遮熱効果や断熱効果も高まりおすすめです。
瓦屋根葺き替え工事の費用単価は「9000円~20000円/㎡」と幅があります。
瓦屋根は修理が必要ないというイメージがあります。
ですが、自然災害による瓦の割れや棟瓦の崩れ、漆喰の剥がれなど不具合が生じるため実は修理が必要なんです。
瓦以外にも下地は劣化するので、築30年以上経過すると「葺き直し」や「葺き替え」も検討する必要があります。
どちらも放置してしまうと「雨漏り」の原因となりますので、定期的にチェックを行って対策を行う事が大事です。